野良犬の塒
トップページ 検索・過去アーカイヴ このサイトについて 管理人へメール

THE HUNT FOR RED OCTOBER レッド・オクトーバーを追え

上巻表紙 下巻表紙

映画はこちら

ストーリー

ソヴィエトから一隻の戦略潜水艦が出港した。その名はレッド・オクトーバー。この艦は戦略核ミサイルを塔載し、さらにキャタピラーと呼ばれる新たな推進システムによって極めて探知が難しいという、恐るべき潜水艦であった。この艦の艦長マルコ・ラミウスは、出発する前に一通の手紙をしたためていた。それには驚くべき事が書かれていたのである。

CIAアナリスト(情報分析官)のジャック・ライアンは、ソヴィエト艦隊の異常な動き、そしてラミウスの手紙のことから判断して、彼が戦略潜水艦ごと合衆国への亡命を目論んでいると判断した。そしてアメリカはレッド・オクトーバーを迎え入れようと、一方ソヴィエトはレッド・オクトーバーを撃沈しようと、この世界最大の潜水艦と天才的艦長を追い求める。

こうして、水面上でのアメリカとソヴィエトの駆け引き、そして水面下、光の届かないところでの戦いが始まったのである。

解説

クランシーの記念すべき第一作であり、驚異的なベストセラーとなった作品である。彼はこれでホワイトハウスに招かれ、当時のレーガン大統領にも会っている。もっとも彼は「SEX描写が一個所もないのに、なぜ俺の本はこんなに売れるのだろう」と言ったそうだが。この作品では米ソの海軍の駆け引き、そして潜水艦の戦いが描かれている。クランシーはこれで実に見事に「潜水艦の世界」を描き出した。

潜水艦はほかの兵器と比べても極めて異質である。まず第一にレーダーが使えない海中において、音だけを頼りに(潜望鏡が使われることはほとんど無い)行動するという事がこの大きな違いを作り出している。潜水艦はその隠匿性が最大の武器であり、第一の任務は敵からも 味方からも隠れる事である。そのせいかは知らないが、潜水艦の乗組員には変質的な人間が多いそうだが。最も狭い艦内に数ヶ月間閉じ込められ、外を見る事もままならず、鋼鉄の固まりを世界の全てにしなければならないサブマリナーは、変質的な人間でないとやっていられないのかもしれない。

出版情報

レッド・オクトーバーを追え
著者 トム・クランシー
訳者 井坂清
出版社 文藝春秋
上巻 amazon.co.jpで購入
下巻 amazon.co.jpで購入

一つ上の階層のページへ戻る

野良犬の塒