野良犬の塒
トップページ 検索・過去アーカイヴ このサイトについて 管理人へメール

THE BEAR AND THE DRAGON 大戦勃発

1巻表紙 2巻表紙

ストーリー

大統領選挙で再選を果たしたジャック・ライアン。
一方ロシアでは、対外情報局長官のセルゲイ・ゴロフコの通勤途中、乗った車と全く同じ車が対戦車ミサイルで攻撃されてその車に乗っていた人間全員が死亡するという事件が起こった。その車に乗っていたのは元KGBの人間。犯人の標的はその男なのか、それともゴロフコだったのが偶然間違われたのか?
しかしロシアはシベリアで史上最大規模の油田と金鉱が発見され、その経済効果の期待に膨らんでいた。
一方の中国は、貿易不均衡の是正を要求するアメリカとの通商交渉がなかなか纏まらないでいた。そんな中中国で、政府の「一人っ子政策」による妊婦の強制中絶を阻止しようとしたヴァチカン大使を含む聖職者二人が警官に射殺される様がCNNに目撃され、しかもその犠牲者の葬儀を行おうとしたキリスト教徒の中国人達が警官に容赦なく弾圧される様子までも報道された。世界各国で反中国感情が高まり、当然ながらアメリカでも抗議の声が巻き起こる。しかし中国は内政干渉として激しく反発、そして世界各国で中国製品のボイコット運動が発生する。
その結果、中国が国内外にひた隠しにしていた経済危機が遂に現実のものとなろうとしていた。そして中国は以前からの野望であるシベリアを狙う。アメリカはそれを阻止するためロシアをNATOに加盟させるが、中国は思い止まらない。ドイツのアメリカ軍はシベリア鉄道で東へと進み、シベリアにはアメリカ空軍が配備されるが中国はそれを待たずに侵攻を開始。そしてNATOの特殊部隊レインボーも中国に潜入する。

解説

ライアン大統領、再び。今回の作品では、「名誉の負債」「大統領命令」で終始暗躍していた中国(中華人民共和国)が遂に行動を起こす。

この物語では中国が非常に強硬な態度を示しており、反共産主義のクランシーの性格が現れている。私自身も反共主義だがしかし中国はここまで愚かかと思わざるを得なかった、しかし物語の展開のさせ方は相変わらずのクランシー流で見事である。

『クレムリンの枢機卿』で初登場したボンダレンコが、シベリアのロシア軍指揮官として奮闘。『レッド・オクトーバーを追え』以来のキャラクターであるマンキューソーは太平洋艦隊司令長官として中国海軍を攻撃し、ジョン・クラークが指揮官の特殊部隊レインボーは、中国の核ミサイル発射阻止のために潜入。いつものように、多方面にわたる展開が見事だ。

出版情報

大戦勃発
著者 トム・クランシー
訳者 田村源二
出版社 新潮社
1巻 amazon.co.jpで購入
2巻 amazon.co.jpで購入
3巻 amazon.co.jpで購入
4巻 amazon.co.jpで購入

一つ上の階層のページへ戻る

野良犬の塒