ぴあによる押井守インタビュー Webでも閲覧可能 第1回 宮崎駿(前後編)

正直私もよく分かっていないのですが、チケットぴあのスマートフォンアプリ“アプリぴあ”というものに、押井守インタビューが連載開始されたようです。

スマートフォンアプリ用とはいっても別にアプリをインストールしていなければ見られないわけではなく、普通にWebブラウザを使ってこちらより閲覧できます。

後半も掲載されました。こちらもWebで閲覧できます。

押井守 師匠たちに教えられたこと 第1回 宮崎駿【前半】

(『うる星やつら オンリー・ユー』は)設定に整合性が取れていないと言われたんだよね。実はこれ、非常に正しかったんです。わずか3カ月で作った作品だったし、そもそも宮さんと同じようなことをやろうとした作品だった。設定を使い回すことでアクションを作り出そうとしたんです。つまり、宮さんの『ルパン三世 カリオストロの城』の方法論を使って作ろうとしたんだよね。

悔しいのは、3カ月で作ったことが言い訳にならないところなんだよ。なぜなら宮さんも『カリ城』を3カ月で作っちゃったから。なぜそんなことができたかと言えば、天才だからです。ひとりで絵コンテを切り、設定を作り、キャラクターを考え、原画を描き、他人の原画を修正し、さらにはそういうことが量産できる。ありえませんから。アニメーターのスーパーマンですよ。極端に言えば、スタッフがいらない巨大な天才。しかも、自分のモノ作りに関しては驚くほど無自覚。だからいつも「こんなのオレが3人いればできるのに!」とわめいていた(笑)。

宮さんはいわばナポレオンなんですよ。だったら僕は、プロイセン(編集部注:ドイツ帝国の中核を成した王国)の参謀本部にならなければいけないと、そのとき思ったわけ。つまり、戦略を立て、戦術を練り、組織も作るということをひとりでやった軍事的天才のナポレオンが宮さんで、そういう天才には頼らず、多数の秀才を集めて戦争に勝とうとしたプロイセンのやり方が僕。ひとりの天才の仕事を、同じレベルでやるためには何が必要か考えて、そういうところに落ち着いたんですよ。

押井守 師匠たちに教えられたこと 第1回 宮崎駿【後半】

監督については意見は合わなかった。宮さんは監督軍曹論で、兵士と一緒に塹壕に入って信頼を獲得するという考え。僕は監督参謀論で、戦争のすべてをプランニングするのが監督の役目。そのためには兵士とは距離を置くべきで、情に流されてちゃダメ。兵士と同じレベルで考えていたりしたら負けるに決まっているから、というもの。まあ、それくらいに対照的に違う。

いつものように、最初は和気藹々、最後はスタジオ中に怒号が響き渡る大ゲンカ(笑)。
もちろん、戦争好きだったり戦記をよく読んでいたり、似たところはたくさんある。まあ、戦争に関しては僕は勝敗論ですが、宮さんは浪花節。飛行機に関してもレシプロ(エンジン/編集部注:ピストンエンジンとも呼ばれる熱機関)大好きな宮さん、僕はジェットエンジン好きと、それくらいに違うんですけどね。それにあの才能でしょ。あの天才に抗うことはできませんよ。ただ思想的に容認できない。僕はマルキストは大嫌いなので(笑)。