ブルーインパルス50周年

1960年に創設された、航空自衛隊のアクロバット飛行部隊ブルーインパルスが、今年で50周年を迎えます。それを記念したDVD『Blue is Blue』の試写会に招待していただきました。

Banaple.inc(『Blue is Blue』制作販売元)
ブルーインパルス | [JASDF] 航空自衛隊
ブルーインパルス – Wikipedia

この作品『Blue is Blue』では、第二次大戦の敗戦によって軍用機の飛行を禁止された日本が、やがて航空自衛隊を設立し、さらにアクロバット飛行部隊を設立。F-86F、T-2、T-4と飛行機種を更新しながら、どのように歴史を積み重ねてきたかが描かれています。映像では元ブルーのパイロットへのインタビューも豊富に含まれており、誰もが記録映像などで見たことがある「東京オリンピック開会式に、空に描かれた五輪」の飛行を実施したパイロットへのインタビューもありました。そして実はこの五輪飛行、訓練では綺麗な五輪を描けず失敗続きで、危うく世界に大恥を晒してしまうところだったという裏話も語られています(試写会にはその元パイロットの方もいらっしゃって、少々緊張してしまいました)。また新たにブルーにやってきたパイロットは航空祭などでナレーションも担当するため、基地地元の放送局で勉強させられるというような面白い話などもありました。

ご存じのようにブルーインパルスは何度か事故を起こしており、殉職者が出ています。そのたびにブルーは飛行停止となり、アクロバット飛行は廃止すべきだという意見も出ました。ブルーのパイロットは決して(時折フィクションで描かれるような)「無茶な飛行を見せびらかして腕自慢したがる無鉄砲者」ではありません。当然彼らも事故を恐れます。ですが事故で飛行停止となっても「再びアクロバット飛行を行って観客を喜ばせることこそ、死んだパイロットに対する供養」として、ブルーは復活を繰り返してきました。そうやって彼らが空の素晴らしさ、飛行機の素晴らしさを伝えたい、航空自衛隊を身近に感じてもらいたいという思いが心底感じられる、素晴らしい作品でした。

正直なところ私は、軍用機にしても何にしても軍事関連の物事は、純軍事的に見る癖がついてしまっているため、アクロバット飛行についてはあまり興味がありませんでしたが、「なぜ空を飛ぶのか」「なぜ危険と言われつつもアクロバット飛行をするのか」というパイロット達の姿を見て、意識が変わりました。今まで私が航空祭などに行っても、「天候不順」などの影響で一度も生でブルーを見られたことがないのが残念です。

Blue is Blue PV(mixi内コンテンツ)

さて先に書いたとおり「ブルーインパルス50周年」ということで、このDVDの他にもいくつか動きがあります。イカロス出版からは『ブルーインパルス パーフェクトガイド』という本が発売されました。またNHK BS hiでは8月22日に『ハイビジョン特集 極限のG(重力)への挑戦 ~ブルーインパルスの男たち~(仮) 』という番組が放送予定です。NHKのこの番組は『Blue is Blue』とは違って「現在のパイロット」に焦点をあてた番組のようです。